絶滅のかけら
ピッピ




絶滅のかけらを掴みそこに透く生物たちの重みで沈む



生まれたのが坂の上だから 死ぬまでは下り坂のが一つ多いよ



爪に刺す赤は死因で最終の電車に名前はつけられていない



文字も春の匂いを思い人間の春の浮浪に溜息を吐く



奴らは冬だ 泣きながら帰る寒い夜の歩みをやめるまでついてきたんだ



手のまめが鱗に変わり 手は鰭に変わり 世界は干からびていく










短歌 絶滅のかけら Copyright ピッピ 2005-12-10 23:04:14
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