明るい成り行き
A道化




あ、


あ、鳩の
光、銀杏の
光、それらの



ぱた、ぱた、


一時的な昼下がりが
水銀の微粒子の鳩として
アスファルトの日向へ、群がり
アスファルトの日向を、啄ばみ
そうして、ほら
明るく、冷たく、いったん弾け散ったら
ぱた、ぱた、と上昇しながら
水銀の鳩は光源へと羽ばたき
羽ばたけば羽ばたくほど
わたしたち、更に明るく
乾いてゆくのだね明るく
ぱた、ぱた、と


かさ、こそ、


風に
諦めた銀杏の一握りが
放置された自転車の、籠へ、籠へ
籠へ、籠へ、息を吐きながら
黄色く、冷たく、堆積し
息を吐き終わりながら、また
かさ、こそ、と、風に諦め
更に黄色く、冷たく、硬直し
硬直すれば硬直するほど
わたしたち、どうしても
脆くなるのだね明るく
かさ、こそ、と



2005.12.10.


自由詩 明るい成り行き Copyright A道化 2005-12-10 13:08:37
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