雪をまつ街角から
もこもこわたあめ


どんよりとした静かで重そうな空を
支えとなるものもないまま「それ以上近づくな」と
睨み付ける

午後三時

そこここに散らばっていた子供たちは
おやつの時間だ、と我先にと暖かな愛に包まれた
”我が家”に駆けてく

十分後

子供たちの姿は一つも映ることはなく
そこには静かに強がる「ボク」が空を
睨み付けるだけ

一時間後

気だるい声を誰ともなしに嘆くのでなく
声高に刹那空を持ち上げるくらいの勢いで
叫ぶ学生たち
あるものは部活のために学園に残り
あるものは家路に着き

すると

気だるさと倦怠感の
入り混じった会社帰りの大人たちが学生に混じって
家路についてる

・・・幾時・・・

世界の七不思議を見るような目で
「ボク」を一瞥しながらも
何もなかったように通り過ぎる人々を
どれくらい見てきただろう

(きっと数え切れないくらい見てきた)

じっと微動だすることなく
今や重いのか軽いのかも判らない蒼い空を
睨み付けて

支えもなく睨み付けて

雪が空との間を埋めてくれるときを待ちながら


自由詩 雪をまつ街角から Copyright もこもこわたあめ 2005-12-09 22:17:36
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