氷のオーラ
アマル・シャタカ

心が渇かぬように君は 氷のオーラを身にまとう

それは君が流した涙
涙のオーラ

砂漠では生きられないからと 君が選んだ氷の世界は
しかし砂漠と同じで

夕日に光る砂漠が美しいように 氷のオーラをまとう君は美しい
それはとても悲しいくらい

氷のオーラで 君の隣はいつも空席
迷惑でないのなら そこに僕が腰掛けよう
凍り付いてしまわぬように 言葉の毛皮で我が身を包み
言葉が尽きれば凍え死ぬ
それならそれでいい

透き通る瞳 透き通る心 しかし乾いた君のすべてに
砂漠でもない 氷河でもない
そんな世界を話してあげよう

「思いやり」という気持ちからレモンバームが出来たことを
「私にこたえて」と叫ぶ少女がラベンダーになったことを
命をかけて人との恋に終え尽きた森の妖精がセージになったことを
「あなたはわたしを蘇らせる」と信じた女性の思いがローズマリーを生み出したことを

氷のオーラがすべて 涙に戻る時
僕は押し流されて消えるだろう 君の前から
そのとき君は見るだろう 君の心が取り戻した大地を 緑咲き乱れる大地を

レモンバームの喜びを ラベンダーが歌う姿を
セージがときめいている姿を
そして君の心が蘇っていることを伝えてくれる
ローズマリーの微笑を



自由詩 氷のオーラ Copyright アマル・シャタカ 2005-11-29 15:24:55
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