密約
こしごえ

月が冴えわたる冬の夜
田園の雪の波が
月光に青白くきらめいて
をんなの肌に深く映ります
あぁしんど
酔い醒ましにちょいと表に出てきたけれど
伏し目がちな月影は
わかばにマッチをすっています

足りても不足のないような
月の輝きは幻で
幾年月の姿見は
逢瀬の露でございます

雪を一すくい
ほほに添わせます
「限りある時をもてば
 縛られてしまうから
 水となって流れ続ける」
あなたは、そう言いました
あぁあったかい

流れる水は、命をおとすことはありません



自由詩 密約 Copyright こしごえ 2005-11-22 16:35:11
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