じゅうに
かぜきり


振り返り
振り返りて

揺れまどう
振り子は
東から西へ 
と 
羊を追いて
ほをすすめてとおし

積もったほこりは あかるさゆえに宙を舞い
はにこすれてかぜは てんてんと夜をつたう

振り返り
振り返りて

落ちつづける砂は
南から北へ 
と 
小鳥を追いて 
はねをやすませることもなく

鏡のきれはしを
覆う翅は 
表へと孵り
翼を求め

自他の境に
かぞえを構えて 
粒をなし
咆哮をただ かかえこんで笑顔を積もらせ

しなしなと輝く
言葉色の言葉をかきあつめ

ただいとの結び目を 不乱のままに
つらねつづけて針を閉じる

振り返り
振り返りて

兎を置いて
ほをすすめてとおし

積もったほこりは あかるさゆえにちゅうをまい
はこにすれてかぜは てんとてんを夜につたう


自由詩 じゅうに Copyright かぜきり 2005-11-16 20:08:08
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