Cafe de irony
一代 歩

すみません。喫煙席はありますか?まず確かめる毒と知りつつ

システムがよくわからないカフェテリア愛想いい人演じて突破

空いた皿下げることのみ命かけ笑いもせずに皿を気にして

沈黙す女同士の関係を想像しつつケーキはまだか

絵に描いた素敵な奥さん的会話あぁなりたくもあるようでない

席を立つ隣の人のテーブルに八方美人と書かれたメモが

あの席は次に座った人もまた携帯電話ばかり見ている

なにくわぬ顔で座っているけれど手持ち無沙汰さ明かす吸殻

この瞬間わたしも誰かの脇役で 女:帰り支度を始める

すれ違う隣に座るそこにいる他人の壁は厚くて薄い

思い出と呼ぶには微妙な思い出で記録したから思い出となる


短歌 Cafe de irony Copyright 一代 歩 2005-11-16 01:28:36
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