Cafe de irony
一代 歩
すみません。喫煙席はありますか?まず確かめる毒と知りつつ
システムがよくわからないカフェテリア愛想いい人演じて突破
空いた皿下げることのみ命かけ笑いもせずに皿を気にして
沈黙す女同士の関係を想像しつつケーキはまだか
絵に描いた素敵な奥さん的会話あぁなりたくもあるようでない
席を立つ隣の人のテーブルに八方美人と書かれたメモが
あの席は次に座った人もまた携帯電話ばかり見ている
なにくわぬ顔で座っているけれど手持ち無沙汰さ明かす吸殻
この瞬間わたしも誰かの脇役で 女:帰り支度を始める
すれ違う隣に座るそこにいる他人の壁は厚くて薄い
思い出と呼ぶには微妙な思い出で記録したから思い出となる