化身
こしごえ

卵が呼吸している
産声を内に潜めながら
類ない曲線で肋を明るく丸めて
ふちを暗く発信し
ゆるやかな衝撃で交信するので
次元はゆらぎ鳴いている

重ねてきた年齢に
皺を深く刻むほどに
うまれる響きの無垢なる声が
邪魔されることのない空間で
私に復讐をする

分裂していく声音の
朧な艶に乱れることなく
構築していく一個の呼吸する卵
自らへくぼんでゆく
強度を保ちつつ
発生していく自我あーーーー





自由詩 化身 Copyright こしごえ 2005-11-14 17:06:11
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