少女って地獄
捨て彦



下駄の音に合わせて手玉そらに舞う犬と私の居ない季節に


詰襟が食い込む首で油揚げ拾う原っぱ葬列の順


右耳に綺麗なものだけ詰め込んで昨日覚えた公式で解く


張り付いた理由を午後と放課後に分けて話せば案外容易い


蝶々のゆらめく軌道をスケッチに書きとめてから十日ほど経つ


制服の薄い部分で傷を撫でときおり忘れてまた真似て撫で


くちびるが薄く色づき教室と皆がおそらく夜中になって



短歌 少女って地獄 Copyright 捨て彦 2005-11-10 22:54:37
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