裸眼の行方
こしごえ

きっとくる
いつものことながら
風は 遅れている

いっそ青の真空中の扉の
鍵を稲妻であけてしまおうか
ウロボロスの純真は
宙にくちづけして
星を孕んでしまったようだから

いつからか
庭園の世界樹は
実をたわわに
いまにも途切れそうにいるけれど
ふくらみすぎた意識らは
遊戯をやめず
私のエロスを宙に放る

視点は次元の回想
進化論に未だ
姿をみせぬ星たちは
過去に目覚めた羞恥心に酔っている

再生の朝
空ろな目をした
少年の風が駆けぬけていった






※ウロボロス=自分の尾を呑み込む竜(ヘビ)。
「終りのないヘビ」という無限を象徴する円環を成す。



自由詩 裸眼の行方 Copyright こしごえ 2005-10-28 16:33:01
notebook Home 戻る