*衣替え*
かおる



ヘドロ化した日常に膿んで見上げる

ちっぽけなあたしから 
    ぽ
    と
    ん
    と
  散った恋心

真っ青な空に溶けて行く

気の早いケヤキは紅葉する前にもう枯れ葉色

なんだかとっても用意周到

風が吹く度に
 チ
   ラ
  ハ
     ラ
    ハ
       ラ
      リ
   と散って行かず

樹の上に頑固に留まっている

陽射しはまだ強い

中途半端だった洋服ダンスも

いつの間にか

くすんだ色調のスーツが並ぶ

元羊だったカーディガンを畳み

かつてペットボトルのフリースに袖を通す

温もりに肌を合わせるよりも

クマになって冬眠がしたい


自由詩 *衣替え* Copyright かおる 2005-10-21 17:18:22
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