いつでもそこに、宇宙があるとしたら?
プテラノドン

なるほど 天文学者の言うとおり。
見ることの半分は想像力が問題となる。

夜中に女は月を見ていた。
双眼鏡の形にした手のなかから。
あるいはそう―、恥ずかしがる少女のように
顔を覆ったやわらかい格子の隙間から?
はたまた水夫の手付きを真似て、はるか遠く
月の在り処を探すように?
 彼女にとって月は「時計」だった。
玄関の明かりは消えている。窓も真っ暗。
闇の中で、彼女だけがはっきりと
どこに時計があるのか知っている。


自由詩 いつでもそこに、宇宙があるとしたら? Copyright プテラノドン 2005-10-16 01:23:30
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