シクラメン
ベンジャミン

まるであなたの
唇のような色でした


10月
神様のいない月に
願い事は増える一方で困ります


去年きれいに咲いた
シクラメン


冬に灯りをともすようにして
春先まで


季節をわたる告げ人が
春と一緒に
あなたを連れてきてくれました


そしてもう
10月


神様のいない月に
あなたがそばにいてくれることが
とても贅沢に思えてなりません


今年のシクラメンは
まだ咲いてはいないけれど


きれいなその
花色を思い出す前に


あなたのその
唇を思い浮かべてしまいます


     


自由詩 シクラメン Copyright ベンジャミン 2005-10-15 15:20:15
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テーマ詩「月の詩(ウタ)」