身震い、きらきら
A道化
羽虫の身震いが
きらきらしている、音
夜の
羽虫への
局地的な雨上がり、のあと
雨上がりの羽虫の
きらきらの
身震い
わたしが
裸の少女のようであるときは決まって
どこか、泣くことに関係していた
たとえば歩く、まだ乾かない羽虫をしめやかに
しめやかに踏むような心地が、する、そのことが
美しくてたまらなくて、秋の夜の雨の中の
そして雨上がりの、裸の少女の
嗚呼、誰も知らない
衣服の中
裸の身震いが密かに
きらきらしている、音
雨上がりの羽虫とほどんど等しい
それは雨上がりの裸の
きらきらの
身震い
2005.10.08