冬の纏足
A道化




圧縮繊維 の雲
を 引っ掻こうとするも果たせぬ細枝 細り
凝り固まったアスファルトから続く
彫刻的な彫刻的な陰影まみれ の樹皮には
纏足をほどく糸口が ありません 


何か生産している筈の工場からは
横殴りの崩壊音、その生産
いつまでも出血を続けなければならぬ痛みがあること
問い詰めたりせず
私 覚える過程にあり


司ることの出来ぬ輪郭だらけ の冬に対しては
降るならば降れよ と
繕うのみで
嗚呼 繕うのみで


全て音は 崩壊音です
纏足のまま 崩れてゆきます
それならば 崩れるならば崩れろよ と
繕うのみで


嗚呼 繕うのみで
纏足をほどく糸口が ありません
纏足をほどく糸口は ありません




自由詩 冬の纏足 Copyright A道化 2004-01-05 20:41:23
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