「雲と大工」
プテラノドン

大工は黙々と
もくもく雲を
鉋で削っている

おが屑のような 白い雲
見晴らしもよく
遠い山脈は 透きとおって見える

黄昏 誰も彼もが眼の上に
反芻いようのないことに
さよならしながら憩う

告げることのない もやもやが
胸につくというのなら
夕日の窯に くべちまえばいいと

ひとしきり 心が燃えて
燃えた心が空へと昇り
雲はささくれ立つし ふくれていく 

大工は黙々と
もくもく雲を
鉋で削っている


自由詩 「雲と大工」 Copyright プテラノドン 2005-10-07 10:07:48
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