コントラストの墓
A道化




砂の音のする、波
波の音のする、空
横たわり、重なり、果ててゆく、
空と波と砂のコントラスト


波打ち際を見逃したら次は
水平線に紛れてゆく人の素足が
空と波と砂の
コントラストの死骸の層に挿され
尽きぬ墓標のように無数に至り


砂の音のする波、波の音のする空、
死んでゆく、空と波と砂のコントラスト
嗚呼、物忘れの激しさが
完全になってゆく



2005.10.4.


自由詩 コントラストの墓 Copyright A道化 2005-10-04 01:05:58
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