詩人
けんご

告白します。
ぼくは詩の書けない詩人なんです。

歌わず
炎の中の薔薇のように燃えもせず
気の抜けたペリエのような者に過ぎません

涙でいっぱいになった空から
雫が落ちてくるのを見ながら
ぼくは自分が本物なのか偽者なのか
分からなくなってきました

だからパンくずをついばむ鳥のように
あちらこちらで
人の親切や
恋や
時に美しいものに触れたと感じた時に
あわててペンを走らせるのですが
結局
今日も
詩を捨てました



自由詩 詩人 Copyright けんご 2005-10-03 23:29:13
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