言葉の鼓動
炭本 樹宏

 バクッ バクッ バクッ

 耳をすませば 聞こえてくる
 僕の身体を流れる
 心臓の鼓動

 バクッ バクッ バクッ

 早くなることもあれば
 ゆっくりとなることもある
 リズム
 
 同じ光景を 目にしても
 同じ空間に いても
 絶望の詩も書けるし
 希望の詩も書ける

 僕達は 神様から
 実に たくさんの宝を
 頂いている

 人と人をつなげる
 言葉は
 最高の宝だ

 バクッ バクッ バクッ

 その間にも 休むことなく
 続けられる 命の鼓動

 言葉には 温度がある
 暖かい言葉もあれば
 冷たい言葉もある
 美しい言葉もあれば
 汚れた言葉もある

 伝える者は 
 それを知らなければならない
 言葉に息吹を吹きかけるのだ

 バクッ バクッ バクッ
 
 母親のお腹の中で
 芽生えてから
 やがて
 この世を 後にするまで
 僕は命の鼓動と共に
 喜怒哀楽でつぎはぎされた
 さまざまな温度の言葉を
 送り続けよう
 そして
 受け取ろう

 バクッ バクッ バクッ
 
 言葉の鼓動に耳をかたむける









自由詩 言葉の鼓動 Copyright 炭本 樹宏 2005-10-03 20:30:05
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