自分が自分であることに
士狼(銀)


自分が自分であることに
儚い戸惑いを隠せないのなら
あなたは泣いていい
存分に泣け
其処には
散々に舞う桜の花弁のように泣く理由が在る

自分が自分であることに
未来を確立させられるのなら
あなたは笑っていい
存分に笑え
其処には
熱に対峙する向日葵のように強い意志が在る

自分が自分であることに
何か意味を見出だせるのなら
あなたは誇っていい
存分に誇れ
其処には
咲き乱れる曼珠沙華のように誇る価値が在る

自分が自分であることに
闇を孕むつるぎを忍ばせるのなら
あなたは眠っていい
存分に眠れ
穢れを知らない六花りっかのように純粋な雪の下で
いつまでも臥せていていい

自分を少しでも認められるのなら
あなたは生きるといい
最期まで生きろ
そして
自分を愛して死ぬといい
誰かを愛して死ぬならもっといい


君に強制するつもりは無いよ
どこまで行っても
どこかで交わったとしても
僕は他人の生き様に関与できる程の人間ではないからね
道は交差するかもしれないけれど
人生が重なることは無いんだよ


自由詩 自分が自分であることに Copyright 士狼(銀) 2005-10-03 17:34:01
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