未完成
汰介

硝子の心が割れるのは
世界で一秒間に人が死ぬ数よりも
多くなくてはいけない

硝子の心が割れた時
大人が子供のふりをするように
幼く感傷的であってはいけない

汚れちまつた紙幣並びに硬貨を
ぎゆつと握り締めそして
じつと拳を見るそして

硝子の心が割れるのを
他人事(ひと)のような無関心と
自分事(わたし)のような忌々しさでそして

硝子の心が割れたと
デクノボウノヨウニ
負ケナケレバイイサ



未詩・独白 未完成 Copyright 汰介 2005-09-29 18:50:17
notebook Home 戻る  過去 未来