絶句
石川和広

犬が鳴いている
と書いた瞬間
何かいのちが死に絶え
また生まれるような気がする

書くことは定義不能
生きている毎日が
戦いだ

誰のため
自分のためではない
存在そのもののため
こういうと
抵抗があるかもしれないが
たぶん嘘ではない

いじけながら生きている
耳を立てながら生きている
明日病院へいく

なにもかも
なんのためでなくても
書くこと

そしてその裏で
星は生まれ
星は死ぬ

夜になるとそんな気がして
ふるえてくる

教えられたこと
その縛りの中で
もだえながら


自由詩 絶句 Copyright 石川和広 2005-09-26 22:02:05
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