背馳
BadCluster

突き出した手に、触れる物はない。

自己の存在。それを確立しているのはこのからだ。
不便なからだ。
私たちはこのからだという入れ物に詰め込まれ、
生きるということを制限されている。
もしも、私たちがこの自我単体で存在できるとしたら、
私たちが考えることのできる精一杯の世界が生まれる。
けれど、そこも、
所詮は私たちの考えによって制限されている。
結局のところは、
私たちがいない所にしか自由な世界は存在しない。

冷たいコンクリートに擦り寄るのはからだ。


自由詩 背馳 Copyright BadCluster 2005-09-24 22:39:16
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