本音
浅野 すみれ

わたしのお姫様はちょっと変わった男とお付き合いをしているようで。

この間も突然、雪の中を裸足で駆け出していったんです。
真っ白なドレスを灰色に染めて帰ってきました。

熱いコーヒーを入れて、待っていたんです。
でも、お姫様はこう言ったんです。
「星が見えなくなっちゃったの!」
だから、コーヒーを捨てて、ミルクティを作り直しました。
気持ちが分かるからです。

わたしは毛布を持ってきてお姫様を包み、
抱きしめるんです。
どさくさにまぎれて。

「ドレスは真っ黒に染めておきますね」
星が見えるようになることでしょう。


自由詩 本音 Copyright 浅野 すみれ 2005-09-23 01:47:31
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