列車のような連作
はな 

 



 萎れてゆく花ではなく




1.「ゆびぬき」


でんとうの 咲いてゆく中で

ちくりと刺さるところを
そっとつつんで
もう無い 
てのひらの形を
朝日のほうへ ほどく魔法






2.「いろは」


ぱせりのきりかた を 
はさみをかたてにせつめいしている
あなたのよこがおをみあげて

緑が 
つもってゆく






3.「ゆめのつづきに」


けさ
おかあさんのゆめを見た
めをさましたら
いつもてのひらなんて合わせない
おにいちゃんがね
あさごはんつくってくれてて
はい めいどのみやげ
って
おとなりのおじいちゃんにまで
あげてた






4.「おまじない」


いち にの さん

太陽 かたむけ









5.「菜の花」


あのころ ってはじまる話を
空のなかにしずませて
きせつはずれの花ばかり
頭の上一杯に 咲かせていた

あの 
冬の日
とうとう降らせてしまって
所在なく笑った顔を
わすれられずにいる




 いつの日も変わらず 祈っていること


自由詩 列車のような連作 Copyright はな  2005-09-22 18:11:45
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