Dance In The Dark
恋月 ぴの

しとやかに咲く花の雌蕊を
ひと撫で
ふた撫で
愛の甘い誘惑は
心の隙間を逃さない


あなたは踊り子になる
薄塗りのなまめかしい曲線を
チュチュの爪先でなぞれば
そこは倒錯の天蓋
絹の垂れ布越しに催淫剤は
シェードランプの灯りに揺れる


捕らわれの濡れた唇
それはあなた
心の鍵を抉じ開ける気配に怯え
ベッドに迫る足音に随喜の涙を流す


愛に餓えた淫獣の荒い息づかいは
もうあなたの枕元
シェードランプに伸びる
毛むくじゃらの節くれた指先は
捕らえた獲物に ほくそ笑む





自由詩 Dance In The Dark Copyright 恋月 ぴの 2005-09-22 06:33:43
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