白いキャンバスのご機嫌は?
炭本 樹宏

 真っ白なキャンパスは
 昼にはご機嫌だったのに 
 夜になると ぐれていた

 何か話しかけて
 寂しさを埋めてもらおうとしたのに
 口も聞いてくれません

 たぶん キャンパスは
 僕の恋人なんです

 いつも いつも
 大切に想ってなかったら
 機嫌を悪くするのです

 嵐の季節をいくつも 通りぬけて
 ここまで来たけど
 わめきちらして 現実に負けまいとしたけど
 行く手には まだまだ 嵐の予感を感じます

 あぁ 年を取るにつれ
 なんにでも 体当たりできなくなってしまって

 幼き日々に観たアニメの主人公のようには
 生きていけなくなってしまってる

 ぶっちゃけ 悪いことも 嘘もついてきた
 詩とは 許しの儀式だと思える

 こんな僕にも 生きる勇気を与えてくれる
 
 白いキャンパスが 少し機嫌をとり戻しました
 想いを伝えることが 少しできたようです

 ルーレットを回すように 言葉を回してみました

 どこかの誰かに 伝わるにつれ
 白いキャンバスは 様様な色に
 染まっていくでしょう





自由詩 白いキャンバスのご機嫌は? Copyright 炭本 樹宏 2005-09-22 02:28:58
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