季節のタブロー(秋)
恋月 ぴの

祈りの数だけ神がいて
祈りの数だけ願いがある


何故人は祈るのか
恐れおののく、その先の
抗いきれぬ力に前を遮られ
溜め息さえも躊躇して


祈りの数だけ花が咲き
手向けた花の数だけ願いがある


心で描いた輪郭とは
ずれた地平で生きている
それはコインの裏表
大河の流れに身を任せ
行く末を一枚のコインに委ねる


それでも祈る


祈りの数だけ思いがあり
思いの数だけ願いがある


省みる為の祈りではなく
平伏す為の祈りでもない


我が心の内を大切に
思う心を大切に


空に祈ろう
巡り来る季節に心の全てをさらけ出し
流れる雲は秋の空
心に染み入る秋の気配に
背伸びのひとつも呉れてやる


自由詩 季節のタブロー(秋) Copyright 恋月 ぴの 2005-09-20 07:15:41
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