ええと
どこからともなく
聞こえてくる　口笛
ハローベンジャミン
きみの鼻の牛みたいなピアス
好きよ


ベンジャミンはいつもヘッドフォンで
オルタナティブな音楽を聴く
耳からたれる白いコード
今日は一段ときれいね


背の高いベンジャミン
私の手首がかろうじて肩にまわり
あごは肩に突き刺さる
いたいよ、もっと背伸びして、
ほらジャンプして、
と言いながらかがんでくれるベンジャミン
すきよ


高い空のにせものみたいな青の
その下でであった私たちは
ストラップのないスニーカーで
落ち葉のひとつでも笑った


やせて背の高いベンジャミン
ポリエチレンのカップを持つ手が
震えてた
薬なしでは生きられない
それでも
ベン、すきよ
明日会えるかも知らない


今度壁に絵を描いたら
連れてって見せてね、きっと
そう言ったらうつろにわらった
きれいなベンジャミン
そろそろさよならかもしれない