惚れた無機質
暗闇れもん

急に強く引っ張るとあなたは簡単に絡みついた

好きといったからこのあたしのあれは疼いた

最初は朝
そっと見るだけでは足りないあたし

数年前からあなたはわたしの中に入る
恋人愛人そんなことどうでもいいのよ

疲れているなら休んだらいいのに
あたしの動きに合わせてゆれてゆく

あたしのものではない温かさ
普段は苦痛でしかないその存在

冷たい体に心地がいいのよ

ある朝
離れたくなくてすれ違うあなたの体に
少し触れ

あなたの体は宙に舞う

あたしのあれは深く入り込んで乱すから

あなたは呻いて吐き出した

沢山の人がそれを見て
数分後には
あたしの車輪を綺麗にする人が現れる

「…番線で人身事故が…」

引き離そうとするのが悔しいわ







自由詩 惚れた無機質 Copyright 暗闇れもん 2003-12-30 02:22:26
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