ぼんやりと上海
たりぽん(大理 奔)

誰にだってあること


こんなに淋しい
ひとりきりの昼間は
妙にアイスクリームが欲しい


  ときどき部屋の時計が
  止まってるけど、それは
  数えるのをやめただけで
  刻まれない時間を過ごしている


青島ビールも飲んだけれど
石炭ボイラーの灼ける臭いと
腐ったスイカの香り
そしてぼくの上海は
インチキなコーラに満たされて


こんなにぼんやりした夜でも
ふわふわと明日につながっていく
せめてこの世を去るときは


    雷のようにまぶしく


あの雲を渡っていきたいね





自由詩 ぼんやりと上海 Copyright たりぽん(大理 奔) 2005-09-10 00:04:27
notebook Home 戻る