空港の滑走路でイルミネーションがともると

もうすぐ漁り火の時刻

海の滑走路が開くと

夢のチャーター便がやってくる
腐った葡萄を投げ捨てろ

国道あたりに投げ捨てろ

トラックの車輪ではじけて

アスファルトに染みこんで

どす黒くかたまってやがる

(ああ、デラウエア・巨峰・ピオーネ!)

 ....
今朝の空は成層圏のもっと上 
宇宙との境界あたりが
こんなにも蒼い


(空の蒼さがスペクトルの分散だというのは、科学者のいいわけ)


見上げすぎたせいか
眩暈でよろめいて
道に ....
あんまり静かに

雨が降るものだから

傘を忘れて濡れている私は

霧吹きをくらった鈴虫だ

りーんりん、とも鳴かない
微かな水滴が
雨の存在を地上に示す

磁力線に沿わず自由な思想で
舞い落ちる雨粒は
落下する意思そのもの

季節の移りを告げてまわる風が
鈍色の雲を次の季節に追いやり

残り火がわ ....
透明な夕日が

沈む速度で赤方偏移


鎮魂の落日か

この国の落日か


ただあかく


遠ざかるほど


そう


遠ざかるほど
京都へは

西大寺から各停で行くのがいい




KYOTOステーションは

洛中と洛外を隔てる

無意識で巨大な土壁



だからこそなおさら

裏口からこ ....
誰にだってあること


こんなに淋しい
ひとりきりの昼間は
妙にアイスクリームが欲しい


  ときどき部屋の時計が
  止まってるけど、それは
  数えるのをやめただけで
   ....
室外機 夏のプロペラ ぶんまわし 飛ぶんだいつか ビルのボルト引き抜いて 緑の木々がゆらめいたり
遠くのコオロギが聞こえるということ

低い雲が重々しく北へ向かったり
小窓でレースのカーテンがはためくということ

白い水鳥のひと群れが南へ進路を取り
黄色い砂粒 ....
嵐はつれて来た

雨や風

悲しみや空虚

そして、季節も動かして



ああ、人間は無力だ



西の空、月までが

埋火に

焦がされている
中央改札を出たら
階段の手前にいくつかの柱がみえる
その陰にぼんやりと
いつも誰かが待っている


少女だったり、サラリーマンだったり
学生服だったり、主婦だったり
日替わりで、何かを ....
  もっとも遠く、旅した者が
  偉大な旅人なのだとすれば
  それは
  鉄路の地下に
  埋もれた大路を
  使者に運ばれて通った
  ペルシア細工かも知れない

この駅を出て
 ....
 風景だけが投げ出され
 約束だけが投げ出され
 虫の音だけが湿っぽく
 すごした風景を箱庭に
 閉じ込める


もう春、 桜は見ない
もう影、 五月雨を待たない
もう夜、 日光の鏡 ....


おいらはみてのとおり ただの灰皿だよ

なんにもしちゃいないのに

おいらを目の仇にする奴に

とう ....
{引用=
約束しないのが
封印された決めごと
矛盾を越えるのが
愛の役目だと思っていた


わたし
ひそかに
日記を付けてたんだ
携帯メール打つふりして
あなたがくれた
ちっ ....
あなたが卒業して

もう半年

今も

クロスシートは

太陽でいっぱい

あなたの影すら

みつかりやしない
奇跡は待つものじゃない
起こすものだ

先輩はいつもそう叫びながら
改札を出るといつも
マニエルの打球のように
球場にむかいましたね

でもね先輩
僕は待ってしまったんです
大切な ....
全てのいろが

変わっていく

はざまで、ふたり

確かな、ぬくもり

感じながら
 切符を切るカチカチと

  ポイントを温めるランプの炎の

   二番ホームに雪を踏む

    信号の腕木があがる

凍える両手に息を吹きかけたあと、空を見上げて吐息

    ....


これより10分間

朝を発信します



周波数を

合わせてください

奴は
山に登るのだ
そう言っては、ニコン党のくせに
私のオリンパスを借りに来る
高山植物を撮るのだという


いつも汚い日焼け顔をしわくちゃにして
稜線を越えていくホシカラスの夫婦
 ....
天王寺動物園に
桜が咲いて
カラオケの音量が
最大になった日

僕たちはアポロの前で
待ち合わせた
どこに行く当てもなくの約束
ただ一緒にいたかったから

もっとたくさん、桜がみた ....
昨日からの雨雲が切れて

西風は少し強く

夏が、燃え尽きていくようだ

明るい夕映え

僕の影だけが黒い
夕日を映した紅色の花を、永遠にするために
透明な棺桶にアクリルを満たす

飼っていた犬の面影を、永遠にするために
AとT、GとC・・・塩基対の配列を玲瓏の棺桶に刻む

光の秘密を刻んだ虹色 ....
逆上がり
出来たのは
低い
鉄棒でした
君と僕がいない 窓風に
遮断機の音
終電が出たあとに
こんな音を鳴らすのは
長距離貨物か寝台急行か
レールの隙間につまづきながら

(一日、伏せてたのかい、それはしんどかったね)

それが見知らぬ場 ....
8月16日(火) 晴 

昨日まで順調に育ってきたが、昨日の夜はしゃぎすぎたのか
ぐったりとした様子。縁のあたりがすこしほどけている。

このまま人間の手にあると、野生に戻れない可能性がある ....
記憶と想い出は
にていて、ときおり
くべつがつかなくなる

枝に懸かる
満月
いま、そこにあるのに 
想い出のようで
あの 夜のように
そう凍るように美しい

ひゅうと、あしもと ....
たりぽん(大理 奔)(550)
タイトル カテゴリ Point 日付
空港は漁り火の時刻携帯写真+ ...12*05/9/17 22:03
投げ捨てろ![group]自由詩9*05/9/16 19:35
成層圏のいいわけ自由詩8*05/9/16 14:34
すずむし自由詩5*05/9/15 0:01
夜空の幻灯機[group]自由詩10*05/9/13 22:43
9.11 落日携帯写真+ ...12*05/9/12 0:15
駅:京都[group]自由詩5*05/9/10 16:37
ぼんやりと上海自由詩6*05/9/10 0:04
飛びたい群れ携帯写真+ ...11*05/9/9 8:48
  僕に風がふくということ自由詩8*05/9/8 22:25
嵐の埋火(うずみび)携帯写真+ ...6*05/9/7 21:06
駅:難波[group]自由詩8+*05/9/3 9:51
駅:大和西大寺[group]自由詩4*05/9/2 21:01
 誰もいない箱庭自由詩6*05/9/1 23:24
灰皿の冤罪携帯写真+ ...9*05/8/31 15:27
タンポポと約束しない[group]自由詩5*05/8/29 23:09
クロスシートの影携帯写真+ ...305/8/29 13:57
駅:藤井寺[group]自由詩8*05/8/28 0:13
砂丘 19時07分携帯写真+ ...7*05/8/27 21:45
小さき音と吐息と駅と[group]自由詩1005/8/26 23:41
鉄塔の朝携帯写真+ ...15*05/8/26 6:51
奴への送らない手紙[group]自由詩12+*05/8/24 22:15
駅:あべの橋[group]自由詩9*05/8/24 16:26
公園で見上げる携帯写真+ ...12*05/8/23 19:54
永遠のようなもの、をたずさえて自由詩705/8/22 23:35
錆びた鉄棒携帯写真+ ...705/8/20 14:51
城跡携帯写真+ ...505/8/17 14:15
踏切にて[group]自由詩1205/8/16 22:49
「麦藁帽子観察日記」自由詩4*05/8/16 13:57
さくらの想い自由詩6*05/8/15 17:29

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