へやのおくに
ブルース瀬戸内

こうそうまんしょんの

さいじょうかいにすむおんなのこは

よるになると まどから

かならずつきをみます。


つきをずっとみていると

からだごとすいこまれそうになります。

もしほんとうにすいこまれたら

おやがかなしむから

あんまりみないようにしようと

きめてしまうと

つい、みたくなってしまいます。

よるがとてもすずしくて

そらに つきがはえます。

ほしがひきたてやくです。


おんなのこがつきをみていると

かっているうさぎがよこにきて

いっしょにつきをみます。

おんなのこは

うさぎがかえってしまうんじゃないかと

しんぱいになって

へやのおくのおくに にんじんをなげます。


自由詩 へやのおくに Copyright ブルース瀬戸内 2005-09-07 08:02:32
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