切なさ大爆発(夏のせい)
ピッピ

水風船われた
いつだって世界は僕のものではない
遠すぎる場所のことをうたったところで
僕のちっぽけな道は途切れたまんまだ
蝉しんだ
このまま地獄へ帰ってしまおうか
切ないことばかりを言っているけど
いつになっても切なさは底を見せない
切ないことを言うたびに
切なさというのは ふたたび
できあがってしまうものなのかもしれない
ああ夏がまた
自分のことをなんら記録せずに息絶えてしまう
水風船われた
蝉しんだ
そして青は澱み
風の末尾にひっついてどっかへ行ってしまう
どの季節が一番好き、
なんて君に訊かれた日には
切なさでぎゅうぎゅうになった思い出をひっかきまわして
夏が好きだよ、
暑いのが好きだから、
と言うのだろう


自由詩 切なさ大爆発(夏のせい) Copyright ピッピ 2005-09-04 23:51:19
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