さち

外から帰ったら
鍵が掛かっててお家に入れなかった日
ドアの前で
しゃがみこんで
靴のつま先を見つめていた日

誰かにそばにいて欲しいけど
「どうしたの」なんて言って欲しくない
お友達がいてくれたら
お喋りして 遊んで 忘れていられるのに
でも親切なオバサンには
見られるのもいやなの

鍵が掛かってる
閉まってる
帰れない



街には子どもらが
しゃがみこんで
靴のつま先を見つめている
お友達がいてくれたら
お喋りして 遊んで 忘れていられるから

お家の鍵は開いているのかもしれない
ドアは開くのかもしれない
でも

どこかに鍵が掛かってる
いつの間に
どうして

どうしても


鍵が掛かってる
閉まってる
帰れない


自由詩Copyright さち 2005-09-02 17:52:52
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