月夜
あおば


もうひとり詩人が欲しいわね
彼女が言うから
もう一人生むことにした

同胞はらからは多い方が賑やかだ
哀しいときは
兄と妹で手をとりあって泣くのだ

経費のことはまかせなさい
その代わり
月のない夜は忙しくなるから
今のうちに休んでおけと言い放つ

今夜も月は冴えわたり
子供たちの姿を
無邪気に遊ぶ狸みたいに
くっきりと描いている




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作2005/09/02



自由詩 月夜 Copyright あおば 2005-09-02 02:39:53
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