晩夏にて
こしごえ
しずかにたたずむ ひとは
風の流れる さやかな笑みを
薄紅色の肌ですいこみ
未練なく放熱し
終りをうちあけて
やわらかに傾いた
音色の日差しにつつまれ
緑は青青と奇声を発しながら
内へとくぼみつつ
息吹は深く 受け継がれていき
上層の張りは ますます青くふくらみ
清
(
す
)
んで
雲は高さへと
目の前を とおりすぎていった紋白蝶
忘れものは、ございませんこと
重い土の呼吸へと ほろびていく
約束を認め
歩きはじめる世界
自由詩
晩夏にて
Copyright
こしごえ
2005-09-01 07:33:49
縦