∃mbryonic poEm
つきのいし.

stage.0素‘イマジン-言葉の起源-’

言葉を捨てよう
言葉の意味から覆そう
言葉は終った

言葉は文字
言葉は積木
言葉は鳥
言葉は空
言葉は表形
言葉は水
言葉は塵
言葉は星

嗚、言葉は人なしではありえない!

人は息
人はあぶく
人は光
人は母胎

吐露はイメージで浮かび
人は心元を言葉にしようとする。
言葉にとって人はビックバン!

人を無くしたら、言葉は死にます。
言葉には無の力があります。

永劫なのは、
生死なきイマジンだけ!



stage.?素‘躍るカオス’

私が鈍器でなぐるのは私だ
私が迫害するのは私だ
私が懇願するのは私だ
私が燃やすのは私だ
私が嫌うのは私だ
私が愛するのは、

コスモスばかりの中では、
生きたくても息ができない。

異なる平凡を開路する
正常じゃない気がして、
変わっていると言われると嬉しいのに、
本当は普通。
指紋、踊る。
騙していないのに、自動的に世界は目を回している。
躁まで届かないトンボ
地面すれすれよりアップダウンカオス

一般人ですが、
私が躍るのは私だ。



stage.?素‘驟雨’

すべての概念の中で
不意に訪れる俄かな放電が
アタマの中に降り注ぐ。
片目の太陽を受けた意思つぶが
感覚を赤く焼いて、
わたしを光子にする。
常軌なき鳴き方で
新生の泪は垂れた。



stage.?素‘穿孔’

覚醒期、私は詩になる。

詩の嗅覚は、無限に届き
動物とも人ともなくなり、
私は食べる、使い古された文字を
私は食べる、使い古された表意を
かんで、かんで、エネルギーになる。
私にとって詩は食べ物です。

覚醒期、私は詩になる。
光の匂いが、私を貫く
詩に穴を開けてやったのに、
私が穴あいた!
どこまでも落ちていき
足の裏も感じなくなる。

穿孔期、私は詩になる。



stage.?素‘詩法試験を超えて’ 

表現を裁くために、
必要な六法全書として、
国語辞典、漢和辞典、外国語辞典、
各々新旧二冊以上、他

司法試験などないが、
詩法試験を自分に課せる(基礎言語の掌握課程)
難関だ、答えがない
ただ漢字テストや計算ドリルのように簡単でもある。

私にとって必要な言葉の鉱山
私にとって初めて見るかのように新鮮な、慣語の再掘
私にとって能の漠然を具現化する鍵文字
言葉を紡いだり組み立てることはない
詩は液体の工作、
原始人が進化するために創り上げた石器

私は私を訴え、弁護し、裁かなければならない
勝ち負けのない永久の立証尋問のため、めくる!



stage.?素‘病を武器にしてはならない’

病は病、
芸術において病を武器にしてはならない
おかしいのはあなたではない
おかしいのは病の作用が元だ
病める自我を誇示してはいけない
病みながら創り上げたものは、
‘あなた’として認められることはない
‘あなたの病’として認められるのだ
あなたは病を創造主にしたいのか、
それともあなた本心を創造主にしたいのか、
どちらかを選ぶことで、
あなたは大きな過ちと多大な支持に分かつ

病を突き抜けて宇宙にまで芸術を持っていける天才をのぞいては
病を武器にしてはならない
(スパイニーフォレスト内、狂人の詩にリンクする)



stage.?素‘虚室’

人じゃない
動物じゃない
植物じゃない
素粒子じゃない

音楽はない、
絵はない、
無二!

詩の存在が私を犯す
詩の存在が私を貶す
詩の存在が私を洗う
詩の存在が私をかえす

生まれた頃に、
また、死んだ先に、
私は繰り返される

二度と離れない意識の果て
精神を崩す程の力で
あなたはわたしに接触しました

泪も血も時も流れていきます
あなたはわたしを掬いました

神も愛も感じなかった私に
根を張り巡らし、臭いを嗅いで
私を元の意識に辿り着かせました。

突きます。
突きます。
突きます。

何度も無になります。



stage.?素‘ヘクトコチルス’

届けます。
受け入れます。
放ちます。
放たれます。
海鼠は先を行っています。
人より未来の防衛本能。
ガリレオのお話は、吸盤でした。
接触と浮遊はもうすぐです。
いいえ、まだでした。
わたしは裸を脱いで、
百イボ虫になります。
皮の下に流れる内臓になって、
表現に無数のイボをつけます。

衛りたいものはたましいで、
小さい頃は溝に能くはまっていました。



stage.?素‘詩への胚胎’

詩を奏でたい
詩を画きたい
詩を汚したい
詩を匂わせたい
詩を虚構したい
詩を彫りたい
詩を愛したい
詩を飛ばしたい
詩を澄ませたい
詩を殺したい
詩を無にしたい
詩を身ごもりたい

躍動



stage.∞‘芸術家に∃する素へ’

わたしたちはもう台風の目に入ってしまった
ここから抜け出すことはできない
ふつうに生活しているヒトと同じ世界で
渦巻く透明な感性にくるまれながら
その穴から見える特殊かつ原石となる世界を見出し
それを表現していかなければならない
択ばれたものだけの落ちたソコから
わたしたちは生い止むことのない自然のように
芸術家たちよ、
想像を遥かに広して、イける屍となれ
無に向かう覚悟を以て




自由詩 ∃mbryonic poEm Copyright つきのいし. 2005-08-29 18:18:31
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