浸水
かぜきり



 声を潜めて

 雨と歌う

  からからわれた

 囁き声は

      ひくく
 
        ひくく 

 こぼれおちてく

 すきまだらけの

からだの

    はんきょう、

   はんきょう、

  ひびき

 ひびいて

雨音のらせん

 つつつ

  招きいれ

  身を浸し

 夜音のらせん

  しらべつどいて

   ふふる



   ふるえて

    ずぶぬれて

   こえに 

    あめに

  ひびきに

   ともに

  しめりけたっぷり

ずぶぬれて

 わたし すきま

  ひたして

  かいないだいて

 ぬくもり

  いだいて

   ぬくもり

  ふるえて

 あめもいただいて

ささやきに浸して

 つめたさを浸して

  ぬくもりが浸して



ひたして



             したたる

           くぐもり

         ひとつ

        夜の

       滴る

     すきま の

  ひとつ











自由詩 浸水 Copyright かぜきり 2005-08-29 11:35:01
notebook Home 戻る  過去 未来