雪の下
まんぼう

いずれは大河へ注ぐ源の
細い流れは
野を行く幼子のように
冬の透ける日差しの中を往く
冬枯れて覆いかぶさる
草の葉の下で
岩を乗り越え瀬を転がり
時と戯れる若者の気軽さで
ポクポクサランと光ったりする

野山は落葉し
下草や羊歯も枯れて
夏には見られなかった
柔らかに絡み合った枝が
青空に編みこまれる

茅鼠は枯れ草の巣を暖め
春には子を産む
海岸沿いの山道でよく見かけた
シマヘビもゆっくりと土に潜る
誘い込むような枯れ野です

これは何かにつながる
景色なのか

みんな肌を寄せ合おうとしている
もうすぐ来る雪の前に
さぷさぷと舐め合い
絡み合うために

これはあの日につながる景色なのか

仰向けに寝転がり
見上げると
目も眩む雪の下


自由詩 雪の下 Copyright まんぼう 2003-12-25 12:23:52
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