ブランコ
こしごえ

もう
鋭いところまで、
来てしまっている。

人々は、
気付いているのであろうか。
虚空は、
妖しく、うねりながら明滅している。
あさっての老人は、
落葉おちばに手を合わせている。

空の流した血は、
青かったろうか
私の流した血は、
赤かったろうか
過去の流した血は、
重く現在にも流れている。

空耳ではない、
音楽の調べのほとりで、
白痴美のような雑音ノイズを産み落す影。

ひとり
公園のブランコで
宙に遊ぶ






自由詩 ブランコ Copyright こしごえ 2005-08-26 10:37:21
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