命の恩人
浅野 すみれ

防衛する力を備えていないわたしは、
ダメなんだわ。
泣いたって、残されているのは鳩のフンの始末だけ。

「女の子はお姫様でいたいのよ。
 ピンクのドレスを着て、
 微笑んで王子様を待っていたいのよ。」

−白いタイツはいけません。
−時代遅れでございます。

そうして、雑巾を絞っていました。
始末が終われば、
洗剤の匂いのする手で美味しい焼肉を食べるの。



自由詩 命の恩人 Copyright 浅野 すみれ 2005-08-25 01:01:10
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