朝からクワガタ
Monk

朝からクワガタ
クワガタの話かよ
下あごの話かよ
さん、はいっ
「下あごの話かよー」
ご飯はゆっくりよく噛むこと
ほらあれだ利口になるから


両親は本日もご健在
飯をバクバク食う
妹は妹で太りすぎ
家庭内で暴力をふるうかわりに
俺は歯を磨くぜゴシゴシ
ルーチンワークだゴシゴシ
くりかえしくりかえし
ああもう少し
右手の超高速振動が
止まって、見、え、
きた
きたよ無我の境地
収まりきれず口元からだらだら漏れ出す泡が
一筋の道となり
やぁがて花が咲ぁくでしょぉぉ
咲くかっ


真顔


牧師の祈りむなしく
今日一日の恵みに対して捧げられた感謝は
こうやって排水口へ消えてゆく
歯磨き粉、僕らの想いを全てのせて
無惨!! 白い鮮血
次週!!「第三の刺客」お楽しみにね
お楽しみはこれからだ
エンペラータイム
なんだ、その貧弱なパンチは
ゆるいっゆるすぎ
ゆるいにもほどがある
なにがだ
下あごがだ
けっきょくそれかよ
さん、はいっ
「下あごの話かよー」
帰れおまえら
実家に帰れ


真顔


おおいに反省した
挽回のマッハ着替え
節度を持った行動を
両親はまだ飯を食っている
妹は妹で起きてこない
寝ながらなおポテチの袋をあけようと
つまり皆さんお取り込み中でいらっしゃる
あのですね
例のクワガタの件ですけど
しかたないので伝言にしますが
明け方のことです、突然(ピーー)が
バックから(ピーー)で、ななんと(ピーー)とは、
思わずそこにあった(ピーー)にもかかわらず
(ピーー)は(ピーー)で(ピーー)もう食った
朝っぱらから失言多謝
では学校に行ってまいります


下あごがゆるくてたまらない
青春の甘美な豊潤な雫が
嗚呼、こぼれおちてしまいそうだ



自由詩 朝からクワガタ Copyright Monk 2005-08-24 01:24:34
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