蛍村の事
m.qyi

蛍村の事








夜の湿ったシーツ

燐寸を点ければ

一寸先の闇の中の奥まった処に山があり、野があり、兎に小川、優しい鬼たちの里がある

何故帰って来たのかと故郷の鬼が泣いて言う

悪かったよ、ごめん

もう、いくから

平成十五年、長梅雨の冷たい夏だった。
















自由詩 蛍村の事 Copyright m.qyi 2005-08-19 10:43:07
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