へりくつ
アンテ
きょだいな
へりくつのかたまりが
そらからおちてきて
まちのたいはんをおしつぶした
こうえんのかぞくづれも
やくばのひとたちも
へりくつのまえでは
ひとたまりもなかった
みんなのつごうやら
どくせんよくやらが
もうもうとたちこめるなか
なんとか
まちはずれのおかにたどりつくと
ひとがたくさんあつまっていた
おもいだしたように
へりくつのかたまりがおちてきて
そのたび
まちのどこからか
かなしいおとがきこえた
ぼくのせいじゃない
だれかがつぶやいた
だれも
なにもいいかえさなかった
まちをおおったもやは
つよいかぜにあおられて
ながされていった
とおく
とおくへながされていった
「へ」
あいまいなきもち
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