青空と子宮
大海

濃いブルーに浸食される
暗い水面に身を投げだすように
ひと呼吸おくれて
驚く
おいはぎにあう錯覚
むきだしになった敏感な部分に
そのブルーはささやく
睦言のよう

一筋の航跡は
雲しぶきの残滓をあげながら
地平線へチャックをおろす
空白をあける鍵
空虚をかける鍵

つめたいコンクリートの階段に
しゃがみこむ
オレンジ色の紙ひこうきが
はしゃぎ声を背に飛び交っているけれど
真昼の流れ星は
やっぱり
なにも叶えてくれはしない
懐かしい喪失感は
ほんのり甘酸っぱいにおいがする


自由詩 青空と子宮 Copyright 大海 2005-08-18 14:23:45
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