サーカス
塔野夏子
夢のように美しく 哀しい
きらめく空中ブランコ
この手に掴めたもの
掴めなかったもの
きらめく空中ブランコ
この春と夏とを彩った
ときめきを見送る
きらめく 宙を舞う肢体
夢のように美しく 哀しく
想いが逝く
きらめく 宙を舞う肢体
果敢
(
はか
)
なくもあざやかな幻燈と化す
この手に掴めたもの
掴めなかったもの
やがて 楽団の響きも絶え
からっぽのリングが 残るばかり
個人サイト「Tower117」掲載
自由詩
サーカス
Copyright
塔野夏子
2005-08-17 21:44:32