ポラロイドカメラ
士狼(銀)

ポラロイドカメラで
港の夕焼けを閉じ込めた

一瞬の空を
たった1枚の写真に収めようなんて
我ながら
驕ってみたものだけれど
その1枚は確かに
僕の指先で

月にも負けず輝き続けていた

暗闇に目が慣れると
機能を停滞させていた耳が音を拾い
微かにだけれど
それは唄だった

あぁ
これが

一千年前に空を泳いだ魚たちの唄か

あなたが教えてくれた神話を
僕の脳は記憶としてひっぱり出してきて
だから

写真を海に預けてきたのだ



自由詩 ポラロイドカメラ Copyright 士狼(銀) 2005-08-15 10:33:02
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戯言と童話