水底
紫音

足下に流れるほの暗い思念の残滓
忘却の河に沈む意志の荒野
時の行方を筆先に乗せて形にならない言葉を返す
語られる物語の終章にあるのは虚無の後先
詩の痕跡を辿り行き着いた光の陰影を浴びて
歌われる歓喜の残響は失われた
人波に飲まれた孤高の意志は
何に痕跡を残すのか
言葉の底流
意味の奔流
生きることの放浪が魂の底辺に触れる時
欠落した生の源はどこに流され何に埋まる



自由詩 水底 Copyright 紫音 2005-08-10 00:50:49
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