語らない言葉たち
綴られた言葉たち

もの言わぬ物たち
擦れて軋む物たち

遺物として刻む
異物として誘う

構築された古ぼけたロジック
放逐された錆ついたレトリック

書かな ....
大きく手を広げて
虚空に円を描く
円の真ん中に
吐息を吹きかける
意味の無い行為

足の指を広げて
靴底を踏みしめる
指と指の間に
力を込めてみる
意味の無い行為

無意味に満 ....
派手な服を着るのも

派手な化粧をするのも

あなたの目に留まりたい

ただそれだけのため

でも明るい彩にしても

あなたの目には映らない

明彩のつもりなの ....
林檎の皮を剥きながら
表と裏について考えてみる
するすると螺旋を描いて落ちていく皮の
虚ろな赤と乳白色のコントラスト
刃を当てて表を削り取る
その先にはまた裏と表が出来上がる
ぐるぐる ぐ ....
丘の向こうに
花が咲き乱れている風の土地が
あるはずだ

壁の向こうに
人が入り乱れる道の十字が
あるはずだ

空の向こうに
塵が飛び交う真空の光が
あるはずだ

不可視の領域 ....
点滅する記憶の痕跡を
手探りで探す

昨日のご飯は何だっけ
一昨日のご飯は何だっけ
一週間前のご飯は何だっけ

思い出すメニューは曖昧で
ご飯しか探せない記憶に驚愕

検索モードを ....
気だるい朝6時
切断された地平へと向かう足音
良識や常識の断罪を拒み
風を切り裂いて疾るソレを抱きしめる
暗転する時間
反転する空間
否定が追い詰める先に
終章を希求するものは何を見る
 ....
ワイングラスに揺らぐ血の波紋に
投げかける白
吐息を混ぜて作るカクテルに
筆先を浸して黒
指先がつたう背に残る
退化した翼

展望台から眺める十字路に
立ち竦む灰猫
星屑を塗 ....
明日という横暴が
今日という存在を
押しつぶしていく
圧壊した残骸の時
そこに見えるのは
裾を気にしながら
階段を登る人達と
言葉を綴りながら
いまを探す人達と
それが交錯せずに
 ....





一際の赤

雲の陰さえ見えない
闇を
照らし切り裂き

妖艶


混濁する熱気
腐食する生気


終末の朱
心の屈折率が違うから君と相対して話せない
記憶の圧縮率が違うから思い出を共有できない
眼鏡越しに見る世界はとても綺麗だ
足下に流れるほの暗い思念の残滓
忘却の河に沈む意志の荒野
時の行方を筆先に乗せて形にならない言葉を返す
語られる物語の終章にあるのは虚無の後先
詩の痕跡を辿り行き着いた光の陰影を浴びて
歌わ ....
言葉の裏と表を引っぺがしてそれぞれを感情と混ぜてミキサーにかける
出来上がったものを呑み込んでしまったところで、
言葉の裏から出来上がったもの
表から出来上がったもの
それぞれに裏も表もあって ....
ノイズが木霊する吹き抜けの真ん中で煙草から白い筋をくゆらせながら見上げるガラス越しのエレベーターが脳にエロチック
システマチックな上下運動に引きずられるように動くケーブルに繋がれた密室

機械仕 ....
飛散する朱珠の滴がセピア色の世界を染めていく
刺激過剰で神経麻痺になった鳥の黒い羽が
白く眩い光の矢に貫かれて散っていく

辱められた脳髄の片隅が
ちりちりと焼けるように甘く生臭く香り
視 ....
今あなたに手紙を書きます
この手紙が届くまでの間に
私はここから旅立ちます
今あなたに想いを伝えます
言葉が伝わるまでの間に
私はここから逃げ出します
幸せを求めるあなたの
眩しすぎる世 ....
張り詰めた空気の中で
深呼吸をしながら溜息を漏らす
窓から見下ろす路地の脇の
錆び付いた自転車のサドルに
視線を合わせる

凍り付いた言葉の奥で
脈拍を測りながら吐息を漏らす
しっとり ....
四肢を取り外し
自己を二重化し
病を重複化し
抗うように鎮座し
生なき性を加速し
象徴の根源を去勢し
現存在を断絶し
脈動なきエロティシズムで
無意識の覚醒を棄却し
抑圧の反作用で
 ....
深呼吸をするたびに
肺の毛細血管が黒く濁る
そんなことはお構いなしに
紫煙の薫りに酔いしれる
ストレッチで身体を伸ばすたびに
関節が軋んで磨り減っていく
こうして心臓の回転は
早くなり遅 ....
手をつないだそのむこうに
遠く手招きする君がいて
急かされてる
君の手が背中を押して
前へ前へと
歩みを速める

そういえばもう
桜も散ってしまったのだけれど
ボクは桜の青い葉が好き ....
二人の男がいた
一人はただ何もせず寝て日暮れを待ち
一人はただひたすら歩き夜明けを待ち
こうして二人は離れていった
一人はまたむくりと起きて月を眺め
一人はまたぽとりと汗をかき座った
こう ....
カタカタ
キーを叩く
音もなく
変換されていく言葉達
モゾモゾ
呟きながら
キーを叩く
色もなく
記録されていく言葉達
この瞬間
世界から言葉を寸断し
切り刻みながら
モザイク ....
あなたと私の間に
こんなにも近く届かない距離がある
この街で生きていくことは
距離を取ることだ

私を見下す太陽は
説教をする
説諭する
どうしようもなく
見渡せないほどの遠くなら ....
ビー玉の模様を見つめ問いかえす今日の天気は晴れだっけ

ため息の数だけ幸せ逃げるよと言われ思わずため息ついて

新宿の喫茶店から外眺め忘れものを忘れてる

手についたドクダミのにおい汗の色 ....
砂糖漬けの果実のように
甘い甘い蕩ける旋律に誘われて
行った先は間の抜けた空洞
ウィスキーグラスの氷のように
冷たい透明な空気に飲み込まれ
言った後は気の抜けた風船

そんなデート
そ ....
聳え立つ影の反対側で

何が起きているかを知らない


振り向いたその先で

何処を歩いてきたのかわからない


風鈴の下にぶら下がっている紙切れのように風に吹かれて

何事も ....
明日が整然と並び
昨日が捨て去られる
雰囲気はあるが意味はない風景写真は
どこの世界か
青や赤の区切りは
終わりではなくループの記号
日々奏でられる営みは退廃の旋律
無尽蔵の明日を排出し ....
全てが相対化していくメタリックブルーの記憶で
路地脇にひょっこり顔を出した花を印字してみる
それは
夜光虫が見上げる月に似て
ぼんやりとした輪郭の白さだけ
が鮮烈に刺激する
心を平準化して ....
喧騒に身を潜め
人の流れに翻弄されて
立ち止まっては睨まれて
辟易する調理臭に塗れ
圧迫される天井のパイプを見上げ
やっとたどり着いた場所が
窓の無い真っ白な部屋だとして
気が付いたら扉 ....
いつか聞いたはずの歌声
有刺鉄線が横切る飛行機雲
陽だまりの滑走路
髪を掻き乱す風の音色

思い出せないあの日
覚えてさえいない夕暮れ
微かに漂う暖かい幻
沈みゆく朱の行方

地平 ....
紫音(121)
タイトル カテゴリ Point 日付
語らない言葉を指折り数えて自由詩1*05/9/23 0:54
その先進むべからず自由詩3*05/9/23 0:53
迷彩自由詩2*05/9/17 1:20
林檎の皮をぐるぐると剥きながら自由詩3*05/9/16 15:39
グッドモーニング、今日自由詩2*05/8/30 1:07
A氏「記憶と記録と」自由詩0*05/8/26 11:56
朝6時の解放自由詩005/8/24 23:37
咲き枯れて標本になり自由詩0*05/8/23 0:12
未完成の絵画自由詩1*05/8/19 23:55
週末の星なき夜に自由詩2*05/8/19 23:52
直視するわけでもなく自由詩3*05/8/19 23:50
水底自由詩5*05/8/10 0:50
結晶、解体、残骸。そして自由詩4*05/8/6 0:08
エレベーターエロス自由詩8*05/7/24 22:45
終焉の祝砲自由詩1*05/7/15 0:07
満ち欠け自由詩3*05/7/5 1:30
小旅行自由詩2*05/7/4 0:25
ベルメールの人形自由詩1*05/7/3 23:48
閉鎖区自由詩0*05/6/26 0:46
季節巡り自由詩3*05/6/25 23:59
キレイ過ぎる街自由詩1*05/6/24 1:29
断片化された感情の染み自由詩1*05/6/23 1:09
遮音された距離自由詩3*05/6/22 23:10
小集「日常」短歌5*05/6/22 0:48
日記捨ててください自由詩4*05/6/22 0:34
自由詩0*05/6/22 0:15
マーチングタイム自由詩1*05/6/21 0:19
春の日差しを受ける公園の片隅で自由詩0*05/6/17 0:51
書き付けるということの一つとして自由詩005/6/17 0:31
空耳自由詩3*05/6/12 1:40

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